会議録情報
令和元年十二月三日(火曜日)午前十時開会
委員長 竹谷とし子君
法務大臣 森 まさこ君
内閣府大臣官房審議官 伊藤 信君
委員 嘉田由紀子君
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○会社法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
質疑
○嘉田由紀子君
実は私も知事時代に、女性の係長、課長、そして部長を言わば増やそうとしたんですけど、実はなかなか、内部の職員は三十年、四十年の蓄積ですので、また尻込みしたりとか、あるいは、行政の中ではいろんな議会があります、議会の委員会対応などで、国の方は余りないようですけれども、女性の係長や課長などにはかなり厳しい質問が出るというようなところで、途中で挫折する女性の方も多かったので、私自身は本当にじくじたる思いがございました。
そんなところで、今後、日本で企業が女性活躍を積極的に進めていく、先ほどから高良委員とそれから森大臣のやり取りございましたけれども、その方策、どのような政策が可能でしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(伊藤信君) お答えいたします。
まず、安倍内閣におきましては、女性活躍の旗を高く掲げまして強力に取組を進めてまいりました結果、平成二十四年以降、上場企業の女性役員数は三・四倍になっておりますほか、民間企業の女性管理職の比率も着実に上昇してございます。
この安倍内閣で推進してまいりました女性活躍の流れを更に力強く推進してまいりますために、さきの通常国会で成立した女性活躍推進法の一部改正法におきましては、一般事業主行動計画の策定義務や情報公表義務が現行の常用雇用者三百一人以上の企業から百一人以上の企業に拡大されることになりまして、これは現行の約三倍の企業において女性の継続就業や登用などの取組が計画的に進められるということになります。
また、この改正女性活躍推進法の着実な実施のほかに、企業における女性役員登用状況の見える化の推進、あるいは女性役員候補育成のための研修、企業と人材のマッチングの土台となる女性人材のリスト化、機関投資家等が企業の女性活躍に関する情報をESG投資においてどのように活用しているかについて調査しましたその調査結果の企業等への情報提供などによりまして、女性役員の登用を加速してまいりたいというふうに考えてございます。
さらに、女性活躍推進に積極的に取り組んでおります男性経営者等によって策定、公表された輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会の行動宣言というのがございます。これの賛同者ミーティングの開催や先進企業表彰などによりまして、好事例の発信を行い、企業における女性活躍の機運を更に高めてまいりたいというふうに考えてございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
改めて図四を見ていただきますと、本当に暗たんたる思いがいたします。女性の役員割合、日本は五・三、韓国はまだ二・一です。一方のフランスは四三。これをどうやって上り詰めていくのか。それは結果として日本企業の国際競争力を高めることと並行できると思いますので、国家を挙げてよろしくお願いいたします。
次に、今回の法務委員会で一貫してお伺いをしております離婚後の子供の最善の利益を実現するための方策でございますけれども、法務大臣に質問させていただきます。
午前中、櫻井委員も、子どもの権利条約が法的拘束力がないから実現できていないじゃないかということを、かなり現場に即して見事な御質問をなさっておられました。私もそれは本当に現場から感じております。
それで、今日のテーマとしては、協議離婚制度そのものをもういよいよ見直さなきゃいけないんだろうと思います。日本では、協議離婚、平成二十年度のデータですけれども、今、離婚のうち八七・八%、九〇%近い、つまり十組が離婚すると九組近くが協議離婚。もう少し分かりやすく言うと、判こ一つで離婚できてしまうんです。家庭裁判所も弁護士も介在できずということでございます。
そして、これも午前中櫻井委員が、なぜ養育費が払われないのか、要因をちゃんと追求しないと対策立てられないだろう。そのなぜの中に二つ、一つは経済の問題ですけど、もう一つは相手と関わりたくないと。そりゃそうです、離婚の状態まで行くんですから、お互いに関わりたくないので、子供のための養育費などを言わば議論するというその場ができていないわけです。そこで放置されるのは子供です。
ですから、ここで、例えば、私、テネシーのペアレンティングの例も申し上げました。また、アメリカ辺りでは、離婚のときに、養育費の支払、それからペアレンティング、単なる面会交流ではなくて、親として一年間三百六十五日どういうふうに過ごすのか、そして、いざ教育の中身は、あるいは医療の中身はということ、全ての領域で計画をする。つまり、養育計画がないと法的に離婚を認めないというような州がアメリカでも多いわけです。ヨーロッパでもそうです。
そういう中で、言わば協議離婚制度そのものを認めないというような法的な方向が可能かどうか。そして、その場合には、私も自治体の仕事を見てまいりましたので、今、離婚の窓口は市町村の事務です、市町村の事務の強化と、そこと家庭裁判所をつなぐとか、あるいは弁護士をつなぐとかいうような形で、かなり法的には大きな立て付けが必要と思われます。家族法を変えながら、関係自治体、また関係者の中での議論が必要と思いますので、この辺りを法務大臣の御意見を伺いたいと思います。もちろん、DVあるいは薬物の問題などがあるときには、それはまずは防がないといけません。
もう一つ質問がありますので、できましたら、法務大臣、短めに回答いただけたら有り難いです。勝手申し上げます。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(森まさこ君) 嘉田委員にお答えいたします。
平成二十八年度の全国ひとり親世帯等調査の結果によれば、協議離婚の場合には、調停離婚、審判離婚及び裁判離婚の場合と比べて面会交流や養育費の取決めをしている場合が低くなっており、協議離婚については委員御指摘のような問題があるものと認識しております。
このため、法務省としても、未成年者の父母が協議離婚をする場合に、父母に対して面会交流や養育費の重要性等の情報を提供することが重要であると考えております。
このような観点から、法務省では、平成二十八年十月から養育費、面会交流に関するパンフレットを作成し、全国の市町村等において離婚届の用紙と同時に配付するという取組を行っております。
また、家族法研究会では、協議離婚の際に、養育費や面会交流の取組が確実にされるように、例えば未成年者の父母については、協議離婚の要件を見直して、養育費や面会交流についてのガイダンスを受講し、又は養育計画を策定しなければ離婚することができないとすることの当否等についても議論される予定であると承知しております。
もちろん、委員御指摘のように、DVや薬物依存等についても、併せて考慮しなければならない要素の一つであるというふうに考えております。
法務省としては、引き続き、研究会における議論に積極的に参加をしてまいりたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
養育計画がなければ離婚を認めない、例えばこれくらいの法的な介入が必要だろうということを是非とも家族法の研究会で前向きに議論いただけたらと思います。
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