会議録情報
令和元年十一月二十六日(火曜日)午前十時二分開会
委員長 竹谷とし子君
法務大臣 森 まさこ君
委員 高良 鉄美君
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
(更生保護制度に関する件)
(選挙演説中の聴衆への北海道警察の対応に関する件)
(カジノの公益性に関する件)
(日本司法支援センターに関する件)
(公証人の任命・監督に関する件)
(再審請求審における証拠開示に関する件)
(女子差別撤廃条約選択議定書の批准に関する件)
(共同親権制度に関する件)
質疑
○高良鉄美君 今の御回答を受け止めたいと思います。今、本当に制裁で北朝鮮との関係があるということで、国との関係はありますが、弱い立場のこの被爆者の家族、またあるいは被爆者本人の問題があって、なかなか不利益が大きいということもあって、真摯に取り組んでいただけるということで今回答を得たような形ですので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
次に、共同親権についてお伺いします。
今朝も、安江委員の方からも少し関連したことがありました。そして、この問題は嘉田委員が本委員会で取り上げておられますが、今日は事実婚の共同親権についてお伺いします。法律婚ではなくてですね。
選択的夫婦別姓が実現しないことで事実婚にしているカップルがいます。そしてまた、やむを得ない理由により法律婚ができないカップルもいらっしゃいます。父母共に同居して子供を養育していても、親権は父か母かどちらかの一方の単独親権と、この事実婚の場合はですね。子供の最善の利益を考えるならば、共同親権にしない理由はないのではないかと思います。
近年、行政サービスなどで事実婚も法律婚も同等に扱うようになってきていますが、事実婚には共同親権を認めないことについて合理的な理由があるのか、法務大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおり、民法は、父母の婚姻中は子供の親権は父母が共同して行使すると規定する一方で、事実婚のカップルから生まれた子供の親権については父母のいずれかが単独で行使することとなっております。
現行法の下で、法律婚と事実婚は相続権の有無も含めて法的な差異が設けられているところでございますが、事実婚の場合にも共同親権を認めることについては、民法の法律婚制度の存在意義に遡って慎重に検討する必要があると考えております。
また、事実婚については明確な定義がございませんで、様々な形態が考えられると思います。共同親権を認める基準としてはなかなか不明確であると言わざるを得ず、また、いつの時点で事実婚の状態が終了したのかが明確でない場合も考えられますので、そのような場合に共同親権の状態にあるのかどうか不明確になるという問題も指摘されているところでございます。
もっとも、現在、本年十一月十五日に第一回会議が開催された家族法研究会について、父母が離婚をした後の子供の養育等について検討がされておりまして、この研究会において事実婚の状態にある父母の子供の親権についても議論がされ得ると認識しています。
法務省としては、親権は子供の利益のために行使をされるべきものであると考えておりますので、今後の議論の状況をしっかりと注視してまいりたいと思います。
○高良鉄美君 ありがとうございます。
二〇〇三年の十一月二十八日の法務委員会で、当時の谷垣大臣が、事実婚の父母に共同親権を求める、そういった質問に対して、事実婚の場合はと、今のようなちょっと御回答の一部がありましたけれども、事実婚の場合は、子の両親、父、母、この結び付きや生活状況というのが極めて様々であろうと思います、したがって、一定の状況を前提とした規律に親しみにくい面があるのではないか、そう述べた上で、必ずしも単独親権が不合理な規定とは考えていないと答弁されました。
そうであればなおさら、共同親権について子供の法的安定を図ろうとする、そういうことが法務省の役割ではないかと思います。法律婚をしていても、破綻して別居している家族はあります。事実婚でも、子供を父母が一緒に養育している家族もあります。ですから、事実婚や法律婚といった、そういう問題ではないんだろうと。
離婚後に単独親権がふさわしいという判断されるケースも確かにあるかもしれません。しかし、最も守られなければならない子供の最善の利益ということですから、事実婚であっても離婚後であっても共同親権があって、場合によってはケース・バイ・ケースで単独親権ということも、これはDVの問題があったりする場合には可能ということが立法の趣旨にかなうのではないかと思います。
共同親権の検討に向けた議論というのは先ほどある程度御紹介ありましたけれども、森大臣、まだこれ以上、先ほどの回答で私は十分の姿勢を示されたと思いますけれども、そういったことで是非また、事実婚の共同親権についても先ほどの家族法研究会の中で議論される可能性があるということをおっしゃいましたので、よろしくお願いしたいと思います。
私の時間ちょっともう近づいていますけれども、もし御見解あれば示していただけたらと思います。
○国務大臣(森まさこ君) 父母が離婚した後であっても、子供にとっては父母のいずれもが親であることは変わりはございませんので、一般論としては、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子供の教育に関わる、養育に関わることが子供の利益の観点から非常に重要であると考えています。
先ほど申し上げた家族法研究会の第一回、十一月十五日に開催されたわけでございますが、そこでは離婚後の共同親権の制度の導入の当否が今後の重要な検討課題の一つとして確認をされておると承知をしております。今後、離婚後の親権の在り方について、委員が今御指摘されたDV等の事案も踏まえて、どのような制度が適切であるかが議論されることになるものと考えております。
法務省としては、引き続き、この研究会において積極的に議論に参加してまいりたいと思います。
○高良鉄美君 これを前向きに御検討なさるというふうに受け止めたいと思います。
もう既に研究会の方ではそういうような議論をされているということでございますので、是非、事実婚の方も含めまして、子供の最善の利益ということで、法律婚、あるいは離婚後、あるいは事実婚と、ケース・バイ・ケースの先ほどの事例もありますので、そういった点で是非前向きに御検討をいただけたらと思います。
私の時間、近づいておりますけれども、少し前ですが、終わりたいと思います。ありがとうございます。
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