会議録情報
令和元年十一月二十九日(金曜日)午前九時九分開議
委員長 松島みどり君
法務大臣 森 まさこ君
法務大臣政務官 宮崎 政久君
委員 串田 誠一君
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)
質疑
○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。
昨日は、会社法改正、修正も調いまして、法務大臣とともに参議院の法務委員会で答弁に立たせていただきました。しかし、きょうはしっかりと、国民の声を私も聞いておりますので、質疑をしていきたいと思っております。
外弁法に関しましては、国際司法の安定化というようなこともございますので、私も趣旨として理解はしているところでございますが、子供の人権に関して国際社会からここまで非難されているという状況の中で、仲裁や調停というものが手続上行われていたとしても、私は、中身がしっかりと国際的な理解が伴うようなものでなければなかなか難しいんだろうというような意味で、今回の、世界から非難されている共同親権、共同養育について、先日の質疑に続きまして、また質問させていただきたいと思います。
まず最初に、最高裁判所にお聞きをいたしますが、前回、面会交流の回数が月一回が一番多いということでございましたが、平均的にはどのような状況であるのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○手嶋最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
家庭裁判所の面会交流事件における面会交流の方法の定め方につきましては、回数を具体的に定めるもののほかに、具体的な回数を定めずに合意するものですとか、長期休暇中の面会交流について合意するものなど、さまざまな定め方がございます。
また、面会交流の回数を具体的に定めたものにつきましても、統計は、月一回以上、月二回以上、週一回以上など、統計上の区分を設けて、その区分ごとに集計をしているものでございます。
したがいまして、お尋ねの面会交流の回数の平均値等を出すことは難しい状況でございまして、正確な数値は把握していないところでございます。
○串田委員 それでしたら、とにかく月一回が圧倒的に多いということを前提にしてお聞きをいたしますが、まず大臣、この月一回というのが個別具体的なことで決定されたということでございますけれども、本来、大臣もお答えいただいたように、子どもの権利条約は共同養育をするのが我が国の義務であるというのは正面からお答えをいただいたという意味では、共同養育になるということを最大限生かしつつ、いろいろな個別具体的な判断で結果が出されているものだと思います。
日本の家庭裁判所がこの一月に一度というようなことを個別具体的な状況で結論を出しているという意味でのこの個別具体的な部分が、何が一番中心となる理由として月一回というふうに定められているのか、大臣にお答えをいただきたいと思います。
○森国務大臣 児童の権利条約について冒頭お述べになりましたが、私の答弁では、この児童の権利条約によって、締約国は、児童の養育及び発達について父母が共同の責任を有するという原則についての認識を確保するために最善の努力を払うというふうにされておりますというふうに答弁をしております。
その上で、月一回という頻度についての御質問がございました。
まず、一般論として申し上げますと、面会交流が適切な形で行われることは、子供の利益を図る観点から極めて重要であると考えております。
その上で、面会交流の頻度や態様を定めるに当たっては、父母の協議で定める場合と家庭裁判所が定める場合とがあると思いますけれども、いずれの場合も、各家庭の事情や子の心情、意向等を踏まえて個別的に判断されているものと承知しております。
○串田委員 今お答えをいただきましたが、私は、今の回答は、法務大臣の本当の気持ちから答えられているのではないんじゃないかなと。
この法務委員会では、弁護士の方もたくさんいらっしゃる。皆さん、経験されていると思うんです。家庭裁判所で、面会交流の、そういう調停や審判の場面になれば、月一回が普通だからと調停委員や裁判官からまず最初に冒頭言われる。月一回が圧倒的に家庭裁判所で統計が多い。これは全部、当事者も担当しているでしょうけれども、弁護士もついている事件も多く行われているわけです。その中で月一回、月二回でも三回でも四回でもないんです。月一回が圧倒的に、前回の答えですと六〇%以上、月一回が圧倒的に多い。これはもう行った途端に、何の事案の審理も何もない中で、面会は月一回だから、こういうふうに言われて始まる。ここにいらっしゃる弁護士の方は、皆さん、そういう経験を私はされているんじゃないかなと思いますよ。
それで、前回お話を聞きました。子供を連れ去ったときには、子供を返してもらうということが極めて難しい。これは日弁連の六十年誌にも、子の連れ去り天国として世界じゅうから非難されていると書いてあるし、連れ去ったことをとがめるのではなくて、有利に扱っているのが一般であると。ここに書かれている人たちというのは、みんな、その分野における権威の人が依頼を受けて、自信を持って出している本に、一般に有利であると書かれているんです。要するに、連れ去られれば、もう子供を返してもらえない。恐らく、ここにいる法務委員のメンバーが連れ去られたら、ほとんどの委員は、子供を返してもらえない、月一回しか面会できない親になりますよ。
宮崎政務官、御自身の経験の中で、子を連れ去られた側を担当して、連れ戻すことができる割合あるいは経験、もしあれでしたらお答えいただけないでしょうか。
○宮崎大臣政務官 串田委員御指摘のとおり、家裁で、要するに、審理をする際には、審判官と調停委員を交えていろいろな議論をするわけであります。
統計の数字もお示しをいただいております。確かに、私も、実務、二十年やっていましたので、経験の中で、家裁でいろいろな事件をやりました。月一回という経験をしたこともございます。
ただ、やはり、そこで代理人、当事者、そして裁判所、審判廷を含めて考えているのは、子の健全な発育のためにどういったことをこの後するべきかという当事者の努力であって、やはり目指すべきは、子の健全な発育のために何が資するかという視点であるというふうには理解しております。
○串田委員 御経験でどういうふうな割合かお答えをいただけなかったというのは、立場上、理解はしていますけれども、大変厳しいというのは、これはもうこういう本、日弁連の本に、有利に扱われて、子供の連れ去り天国と書いてあるわけですから。連れ去った側は天国なんです。天国の対義語、地獄ですよ。要するに、連れ去った側は天国なんです、連れ去られた側は地獄なんです。
ここにいる委員の、弁護士も含めて、連れ去られたら、子供を返してもらうことができると断言できる人は、恐らく、ほとんどいないと思いますよ。経験していて、自分もそれを長年経験をしている方々はみんな、連れ去られたら返してもらえない。月に一回しか面会をすることができない親に変わっていくんです。
大臣も、恐らく、連れ去られたら同じだと思います。月に一回、面会をすることしかできない。どうしてか。相手が先に連れ去ったからですよ。もしも大臣が先に連れ去ったら、大臣が子供をずっと養育をし、相手方は月一回しか面会ができない親に変わり、そして養育費だけを払わされる地獄の日々が待っているんです。自殺している人もいっぱいいるんですよ。国際からこんなに非難されているんです。こういったようなことを変えないで、仲裁手続だとか外弁法だけ手続を変えていったってだめなんですよ。
そういう意味で、本当に真摯に考えていただきたいのは、個別具体的というのを余り強調しない方がいいと思うんです。なぜなら、個別具体的に判断をして、片方の親は月に一回しか、それも二時間ですよ、二時間しか会わない方が子供にいい、宮崎政務官、そういう意味ですよね。そういうことで月一回になったわけでしょう。そういう親なんですよ。片方は、それからマイナスした全ての時間を得られる親が一番子供に最善だということで裁判所が判断しているということになっちゃうわけです。
そうだとすると、これから法改正なんかしたって、どうするんですか。法改正して、この比重が変わっていく。今、子供の連れ去り天国と言われ、国連からも共同養育になっていないというのを二月に勧告を受けて、法改正の研究をしたとしても、その法改正をしてこの比重が変わるということは、今の時点を否定することになるじゃないですか。個別具体的に判断をしたから、片方の親は二時間、あるいは月一回、それ以上は子供によくないというので月一回になったわけでしょう。それを法律を改正して比重を変えるということは、今の現状の適正な判断を崩すことになるわけです。
むしろ、私は、今までの家庭裁判所は、もう月一回というのが慣行になっていて、それを少し安易に適用しているという傾向がありやしないかというものを素直に認めた上で、二十四カ国の調査結果や、あるいはいろいろな意見をしんしゃくしながら、共同養育というものを、世界的な状況を鑑みて法改正をしていくんだという謙虚な姿勢を、本当の真実のことをおっしゃられた方が私は正しいと思いますよ。今の時点を肯定していたら、改正したら悪いものになってしまうわけですから。
大臣、いかがでしょう。
○森国務大臣 父母が離婚をした後の子供との面会交流のあり方については、これまでも申し上げてきましたとおり、家族法研究会において、今後の重要な検討課題の一つであることが確認されましたので、そちらで議論をされていくものと承知をしております。
法務省としては、子供の権利が最善に守られるように、そして子供の権利が不当に侵害されることがないように、さまざまな御意見にしっかりと耳を傾けながら、家族法研究会での議論を見守ってまいりたいと思います。
○串田委員 そういう意味で、個別具体的な判断をして今の結果が出ているというようなことを余り強調されない方がいいと思いますよ。月一回しか会えない状況というのは、これは家庭裁判所の統計でもそうですし、こういうような日弁連の記載にもあるように、子供の連れ去り天国になってしまっているんです。そういうような状況を、個別具体的に判断してそうなっているんだというようなことを世界に発信しない方が私はいいと思います。
子供を連れ去られた側は月一回しか会えなくなってしまっている、そういう親で、片方は圧倒的に子供を養育をすることが与えられる。それが子供の最善な状況なんだ、個別具体的にそれが適正なんだと余り強調すると、この国というのはそういう極端な親に、片方は子供の養育を非常によくできる親がいて、片方は月一回しか会わない方が子供にとって最善の親なんだ、そこまでひどい親なんだ、そんなに二分されるようなことはないですし、子の連れ去りがどちらが先かによって、これが百八十度一転するわけですよ。連れ去った側は圧倒的に養育をし、連れ去られた側は月一回しか会えない、そういうようなレッテルが張られる。しかし、逆に、先に連れ去った方は、これが全く逆になるわけです。
そういうことで子の連れ去り天国と言われているわけですから、そんなに親の資質とかがここでは問題なのではなくて、子の連れ去りを放置しているからこういうような状況になるわけです。
私は、先日、裁判所、地裁レベルですけれども、具体的なことを言うと、また具体的だということだったので、抽象的にお話をしますが、こういったような憲法上の立法措置をとらなかった、条約の立法措置をとらなかったということで争ったときに、裁判所は、条約に関しては具体性がないという判断をしました。これは、法律の方は御存じのように、条約の自律執行力があるとかないとかという話だと思うんですけれども。
しかし、条約は、共同で養育をする方が子供にいいんだということで、一九九四年に日本は批准したんじゃないですか。その批准した趣旨というのを、これは今の現行民法を解釈する上で生かすことなんて幾らでもできるわけですよ。
子を連れ去ってフィフティー・フィフティーな状況にならなくなってしまったことに対して、裁判所が当初から、これはいけないんだよ、連れ去っちゃいけないんだよと言われて、いや、DVだというんだったらしっかりと審理をすればいいけれども、そこを放置したまま、連れ去りを放置したまま、連れ去り天国にしちゃったまま、そういう状況の中でずっと来てしまった。ここは解釈をすればよかったんです。原則、子を連れ去ってはいけないんだよ、そういうことをしたら不利に扱うんだよという裁判所の判断がなされていれば、今のような日本の子の連れ去り天国というのは私は起きていなかったんだと思うんです。
ただ、そういうようなことを繰り返し判決を出す以上は、もうこれは国会が、国際から非難をされていることに対してしっかりと法改正するしか私はないんだと思います。
そういう意味で、今、本当にたくさんの地獄を経験している、連れ去り天国の片方は地獄ですから、地獄を経験されている方からの声が私のところにもたくさん届いているので、ぜひこういう声を、一刻も早く解決をしていただきたいと思います。
もう一点、児童相談所についてきょうはお聞きをしたいと思うんですけれども、児童相談所で親と児童相談所とが話合いがつかない、平行線になってしまうということがなぜ起きるのかというと、児童相談所は、虐待をしている親であるということを決めつけるわけですね。そして、子供を家に帰すときには、児童相談所は、虐待を認めなければ帰さないという話になるわけです。
虐待をした親もいれば、あざがあったので通報された、だけれども、子供は実は転んであざができているかもしれないわけで、そういうようなことから、虐待はしていないんだと言う親がいるわけです。片方は虐待をしていないんだと言う親がいて、児童相談所は、虐待を認めなければ子供を帰さないというようなことになって、これが今の現状なんですよ。今の現状なんです。
ですから、私は、第三者による検証機関が必要だと思っているんです。これはずっと続けても平行線なんですよ。だから、親は、子供を帰してもらいたいがために、虐待をしていないのに、虐待をしましたと言うしかないんですよ、帰してもらうためには。
これは、大臣、何がしかの検証制度は私は必要だと思うんですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○森国務大臣 児童福祉法上の一時保護の制度は、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図ることを目的として、児童相談所長等が必要があると認めるときに一時的に児童を一時保護所等に保護する制度でありまして、御指摘のとおり、親権者の意に反する場合であっても、児童相談所長等の判断で行うことができるものであると承知しております。
このような一時保護の制度の措置について、児童虐待の事実がないにもかかわらず一時保護が行われたなどの不服がある場合には、親権者等は、都道府県等に対して審査請求の申立てをし、また、裁判所に対して取消しの訴えを提起することができ、それらの手続の中での一時保護の適法性が判断されるものになっておると思います。
また、その制度の見直しについての御質問がございましたが、法務省は、児童福祉法上の一時保護の制度を所管していないため、その制度を見直すべきか否かについて答弁することは差し控えさせていただきます。
○串田委員 時間の関係上ちょっと飛ばしましたが、国連からも、児童相談所の一時保護に関しては司法機関の手続を経なければだめなんだという勧告がなされているということなのでございます。ですから、そういった意味で、しっかりとした検証制度が必要だと思っています。
子供の、子の共同養育に関しましても厳しく御指摘をさせていただきましたが、安倍総理が答弁をされて、そして山下法務大臣が調査を外務省に依頼し、河井法務大臣が研究会を立ち上げ、そして森法務大臣が、子どもの権利条約の、共同で養育をするというのが親の責務であるというようなことをしっかりと答弁をしていただきました。私、大変それはすばらしいことだと思っています。
民主党政権時代は何もできなかったんです。きょうは、皆さん、桜を見に行かれているようで、お休みになっておられますけれども、神宮外苑はもうイチョウが黄金色に色づいております。
そういう意味で、子供の成長は待ってくれていないんですよ。子供に会えない親がこの日本じゅうにたくさんいるというようなこと、今度、クリスマスがあるときに、そのクリスマスにプレゼントを渡して喜ぶ姿を待ち望んでいる、そういう親御さんがたくさんいるというようなことをぜひとも理解いただきまして、今後もこの問題については取り上げさせていただきますことをお約束をいたしまして、きょうの質疑を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
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